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第1回 どうして子宮頸がんに最新技術が導入されるようになってきたのか?

かゆ子先生の最新情報シリーズ「子宮頸がん予防に関わる最新検査技術とその複雑化する事情」

子宮頸がん(体がんは別です)が他のがんと大きく違うことは、その原因が特定されているということです。だから対応方法も開発されてくるし、検査方法も急速に進歩してきています。

まずその原因はHPV(ヒトパピロマウイルス)という一種のウイルスにあります。
このウイルス自体は多くの「いぼ」の原因となっているごくありふれたウイルスなのですが、100種類以上あるその遺伝子のタイプ(型)のうち、特定のタイプが子宮頸がんの発症に関わっているということが解明されています。
だから先ずはそれらのタイプのHPVウイルスを体内に持っているかどうかを調べれば、将来的に子宮頸がんにまで進行してしまう可能性があるかどうかが分かるわけです。
HPVが原因ということは解明されたものの、HPV感染は誰にでも起こりうるし、感染してしまっても誰もが持つ免疫作用で1~2年以内に90%もの人から排除されてしまうという事実も知っておくべきです。
女性の80%は一生のうちに1度はHPV感染すると言われているほど「普通」のことなので、HPV検査で陽性になったからといって過度に心配することはありません。その一方で、仮にHPV遺伝子検査をして陰性だったとしても、可能性としては検査の翌日に感染してしまうということもあり得るわけです。
HPV検査で陽性ということは、将来的に子宮頸がんにまで進行する可能性がある遺伝子のタイプ(型)を持ったHPV(ウイルス)が体内に留まっているということで、それが直ちに子宮頸がんや前がん病変にまで進行してしまうということではありません。言い換えれば、少ないとはいえその可能性を早いうちから見つけ出し、その後は継続して感染しているかどうか、また病変が発生していないかどうかに気を付けていればいいということになります。

正しい知識さえ持っていれば子宮頸がんは「予防できる」初めてのがんということになるわけです。

次回は「どうやって予防すればいいか?」をお話しします。