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子宮頸がんとは

子宮頸がんは、子宮頸部の組織に発生するがんです。たいていの場合、ゆっくりと進行するがんで、通常、早期にはほとんど症状はありません。進行するに従って異常なおりもの、月経以外の出血(不正出血)、性行為の際の出血、下腹部の痛みなどが現れてきます。定期的な細胞診による検診によって、早期に発見することが可能です。子宮頸がんの原因は、ほとんどの場合、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染であると言われています。

子宮頸がんの原因

ヒトパピローマウイルス(Human Papilloma Virus;HPV)
子宮頸がん発症の原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染です。

HPVには100種類以上の多くの型がありますが、子宮頸がんを引き起こす原因となるのはこのうちの15種類程度と言われています。

HPVはどこにでも存在するきわめてありふれたウイルスであり、例えば皮膚の表面に出来る乳頭腫(イボ)を引き起こすのもHPVの一種です。子宮頸がんを引き起こすHPVは主に子宮頸部などの粘膜に感染するため、性的な接触により感染を起こし、子宮頸がん発症の原因となりえます。

一般的に女性の約80%以上が一生に1度は感染すると言われています。つまり誰にでも感染は起こりうるのですが、その多くは人間がもともと持っている免疫反応によって自然に消失してしまいます。しかしながら、一部のリスクの高いHPVが持続的に感染し、様々な発がん因子と関係することで、子宮頸がんになるケースがあるのです。

子宮頸がんと子宮体がん

同じ子宮にできるがんでも、頸がんと体がんはできる場所、検査、治療などそれぞれ異なっていますので注意が必要です。近年若い女性に増えているのが「子宮頸がん」で、「子宮体がん」は中年以降の女性に急増しています。

【子宮頸がん】
子宮頸がんは、子宮の入り口(子宮下部の管状の部分)を子宮頸部といい、この部位にできるがんです。一般的に「子宮がん検診」といえば、この子宮頸がんの検診を指すことが多く、健康診断や人間ドックのオプション検査、自治体が配布する無料検診クーポンなどで、症状のない人も含め全ての女性を対象に行われています。頸がん検診の問診の結果、一定の症状があるために医師が必要と判断した場合に、受診に同意された方に対して、子宮体がんの検査も行われることが多いようです。
子宮頸がんの検査方法や詳細はこのウェブサイトをご覧ください。


【子宮体がん】
子宮体がんは、子宮上部の袋状の部分、子宮体部という部位に生じるがんで、そのほとんどは、子宮体部の内側にある子宮内膜という組織から、卵胞ホルモン(エストロゲン)という女性ホルモンの作用をうけて発生するがん(子宮内膜がん)です。卵胞ホルモンの刺激に関係なく発生するものもあり、このようなタイプの子宮体がんはがん関連遺伝子の異常に伴って発生するとされ、比較的高齢者に多くみられます。他にも肥満、糖尿病、高血圧などの要因もリスク となることが知られています。症状の多くは、不正出血です。
そのため、検査は不正出血などの自覚症状がある人、ハイリスクグループと呼ばれる、喫煙者、肥満、高血圧、糖尿病などの症状を持った人が受診します。検査は超音波検査で行われたり、子宮頸部と同様に細胞診で行われる場合があります。
ちなみに、「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針について」※1によると、

子宮頸部がん問診の結果により、最近6か月以内に
 (ア) 不正性器出血(一過性の少量の出血、閉経後の出血など)
 (イ) 月経異常(過多月経、不規則月経など)
 (ウ) 褐色帯下
のいずれかの症状が判明した者には対しては、子宮体がんの有症状者である疑いがあることから、第一選択として、十分な安全管理のもとで多様な検査を実施することができる医療機関の受診を勧奨する。ただし、子宮頸部細胞診に併せて体部の細胞診(子宮内膜細胞診)を実施することについて本人が同意する場合には、子宮頸部の細胞診に引き続き子宮体部の細胞診を実施する

とあります。ですので、このようなことを知っておくと、がん検診で戸惑わずにすみますね。
全ての女性に対して行われる子宮頸がん検診とは違って、本人の自覚と申告に依存する場合が多いので、正しい知識をもって自覚症状があればちゃんと検査を受けようという意識が重要なのです。
また一部の自治体では子宮体部細胞診検査を行っていない自治体もありますので、地域の関係機関に問い合わせてみましょう。

※1 :出典 「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針について」 厚生労働省 健発第0331058号
平成20年3月31日
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