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FAQ

よくある疑問と回答

子宮頸がんってどんな人がかかりやすいの?

子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)感染によって発症するがんですので、セクシャルデビュー後の女性は、誰でもかかる可能性があります。
HPVはどこにでも存在するきわめてありふれたウイルスであり、性生活があれば誰もが感染する可能性があります。子宮頸がんを引き起こすタイプのHPVは主に子宮頸部などの粘膜に感染するため、性的な接触により感染を起こし、子宮頸がん発症の原因となります。

そのため、10代ではワクチン、20代以降では定期的な検査が不可欠です。

ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染すると、がんになるの?

いいえ。HPVには性的接触を経験した女性の80%が一生のうちに一度は感染するといわれていますが、多くの場合は人間の持つ免疫作用によって消失します。
しかしながら、一部のリスクの高いHPVが持続的に感染し、様々な発がん因子と関係することで、子宮頸がんになるケースがあるのです。
HPVには100種類以上の型があり、そのうちの15種類程度が高リスク型と呼ばれ、子宮頸がんの症例の99%はこの型が原因とされています。またそのうちの2種類(HPV-16型とHPV-18型)が症例の60%を占めています。
また、感染してからがんが発症するまでに何年もかかりますので、定期的に検査することでがんの前段階で発見し予防することができます。

子宮頸がんは予防できるの?

はい。子宮頸がんは唯一予防できるがんです。ワクチンと定期的な検査によって予防することができます。
ただし、現在のワクチンは、高リスク型の2種類または4種類に対するワクチンであり、ワクチンが有効なこれらの型を持つ比率が日本人の場合では60-70%と言われています。そのため、ワクチンを受けた人でも感染リスクが高まる20代以降では定期的な検査が不可欠となるわけです。

子宮頸がん予防のワクチン(HPVワクチン)ってどんな注射?

HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンは病原性を持たない不活化ワクチンで、これを接種すると、IgGと呼ばれる抗体を増やすことで、HPVの感染を予防します。このワクチンは、筋肉注射のため多少の痛みを伴います。
通常半年間で3回接種することにより効果が出るといわれています。費用は5万円程度かかりますが、自治体によっては、若年者を対象にした若年者に公費助成制度があります。
セクシャルデビュー前の接種が効果的で、諸外国では小学生のうちに接種する国がほとんどです。日本では11-14歳が最も推奨される接種対象とされていますが、15歳以上でもセクシャルデビュー前であれば高いワクチン効果が期待できます。
また、現在市販されている2種類のワクチンは、高リスク型の2種類または4種類に対するワクチンであり、日本人の場合、これらの型を持つ比率は60-70%です。これらの型以外には効果がないため、ワクチンを接種したとしても、子宮頸がんを完全に予防することはできません。そのため、がんが発生する可能性がある20代以降では定期的な検査が不可欠です。

子宮頸がん検査ってどんな検査?

子宮頸がん検査には、細胞診検査とHPV遺伝子検査(以下、HPV検査)があります。
細胞診検査では、子宮頸部の細胞を直接顕微鏡で観察するため、前がん状態の細胞、あるいはがん細胞を発見することができます。
HPV検査では、子宮頸部の細胞のHPVのDNAを検出することによって、13種類の高リスク型HPVのいずれかに感染しているかどうかが分かります(2012年7月時点)。この検査では、HPVの感染によって病変が将来進行する可能性があることは分かりますが、前がん状態の細胞あるいはがん細胞の存在はわかりません。
このような2つの検査の特徴の違いから、HPV検査を受けることを勧められることがあります。

細胞診検査ってどんな検査をするの?

子宮頸部より、特殊なヘラやブラシを使って細胞を採取します。検査自体は数分で済んでしまうくらいの簡単なもので、痛みはほとんどありません。その後、顕微鏡で細胞の形を調べて異常がないかどうかをチェックします。
患部となりうる部位から直接細胞を採取するため、非常に効果的な検査が可能です。
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子宮頸がん検診の費用って、いくらかかるの?

子宮頸がん検診に対しては、地方自治体などで補助がある場合もあり、通常500~1,500円程度を自己負担する場合が多いようです。
人間ドックなどでも受診することが可能ですから、ぜひ定期的に検査を受けるようにしましょう。
婦人科のある病院やクリニックでもいつでも検査することが可能ですが、その場合、より高額になることがあります。

子宮頸がんの検診って、どれくらいの間隔で検査をしたらいいの?

子宮頸がんでは初期には症状がないことがほとんどです。無症状であっても、1~2年程度の間隔で、定期的に受けることが重要です。

検査機関はどうやって選んだらいい?

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子宮頸がん検診では女医さんを選べるの?

機関によって違います。
クリニックに直接問い合わせたり、クリニックのウェブサイトで調べたりするとよいでしょう。ウェブの情報だけでは、情報が古くなって状況が変わっているかもしれないので、予約する際に希望を伝えて、再度確認しておきましょう。

最近子宮頸がん検診を受けました。その結果、細胞診断の報告書に今まで聞いたことの無い「ASC-US」という記載がありました。「陰性」とか「精密検査が必要」とかであれば理解できるのですが、これをどう判断すればいいのでしょうか?

子宮頸がん検診は子宮頸部から細胞を採取し、細胞の変化を顕微鏡で観察して、異常があるかないかを判定します(細胞診)。「ASC-US」はこの細胞診断の分類に使われる用語で、日本語では「意義不明の異型扁平樹皮細胞(Atypical Squamous Cell of Undetermined Significance)」と言っています。細胞診では、診断が容易な場合と判断(診断)に迷うような場合があり、「ASC-US」と報告する場合は、異常があるとしてよいのか判断に迷う時です。
「ASC-US」の細胞診報告の場合は、子宮頸癌の原因のウイルス、HPV(ヒトパピローマウイルス)に感染しているかを検査します。HPV感染が認められなければ、細胞診での異常は正常範囲内と判断し、引き続き通常の検診でフォローされていきます。HPV感染を認められた場合には、コルポスコピー(膣拡大鏡検査)で病変有無を検査するか、6~12ヶ月後に細胞診とHPV検査を再度行います。
ちなみに「NILM」の記載は陰性を意味しています。

細胞診で異常が認められたらどうなるの?

細胞診で異常が認められた場合、「精密検査が必要」と判断され、細胞診の結果によって再検査、もしくはより精密な検査が選択されます。本当に「がんと診断」される人はそれほど多くありませんので、心配しすぎることなく、まずは精密検査を受けましょう。より精密な検査としては、コルポスコピー検査を行って、異常な部分を確認して、その部分から組織を採って組織診が行われます(「生検」とも言われます)。
内診の所見で進行期が決まり、コルポスコピー検査の所見、組織診の結果、またCTやMRIなどの画像所見など、いろいろな検査を総合的に判断して、治療の方法が決定されます。コルポスコピー検査と組織診以外の検査が必要かどうかは医師によって判断されます。

子宮頸部円錐切除術

治療には手術、放射線療法、または化学療法(抗がん剤による治療)などがありますが、前がん病変やごく初期までのがんの場合、子宮頸部円錐切除術 という子宮頸部だけを切り取る比較的小さな手術で済み、手術の後も妊娠・出産が可能です。ただし、円錐切除術を受けた後で、がんの進行が認められた場合、より積極的な治療が必要な可能性もあります。
個々のケースで治療の方法が変わってきますので、もし検診で異常を指摘された場合は、できるだけ早く医療機関を受診して、専門の医師にかかりましょう。
このように、前がん病変でも小さな手術が必要と判断されうること、また同じ子宮頸がんでも進行期によって治療の方法、ひいてはその後の人生の計画にまで大きな違いが出てくることから、定期的に子宮頸がん検診を受け、できるだけ早い時期に異常を発見することがとても大切なのです。