ちゃんと検査・ちゃんと治療。子宮頸がんからあなたを守る - 子宮頸がん検診 啓発サイト -

第2回 子宮頸がんからどうやって我が身を守る?

かゆ子先生の最新情報シリーズ「子宮頸がん予防に関わる最新検査技術とその複雑化する事情」

2重の防御法
発症の原因が特定されたからこそ、それに応じた明確な対策が取れることも「子宮頸がん検査」の大きな特徴です。 その手段は二つ。
一つは原因が分かっているからそれを排除すること。つまり原因となるHPVに感染しないようにすればいいということ。
もう一つは感染が避けられないならば、いち早くその感染を見つけ、対策を早急に打つこと。

a. 原因因子を排除する
HPVの感染は性接触によって引き起こされます。ただ性感染症と違うところは、自分で気を付けていれば大丈夫ということではなく、HPV自体が非常にありふれたウイルスであり、テーブルの上とか電車の手すりとか、どこででも感染してしまうというリスクが常にあります。それが主に男性経由で女性の子宮頸部へと感染し、運悪くその部分に傷があった場合にカラダの深部まで感染してしまうのです。
だからHPVとの接触を防止するのは事実上不可能なのですが、最近HPV感染予防ワクチンが開発され、マスコミなどでも頻繁に取り上げられているので皆さんもご存じと思います。
これはHPVの擬似的な「物質」を予め体内に送り込み、感染する前に人間の持つ免疫作用を利用して予め抗体をつくっておくという方法で行われます。
これは人間の自然浄化作用を利用した非常に有効な手段なのですが、残念ながらワクチン接種前に一度でもHPVに感染していれば有効ではなくなってしまします。
HPVワクチンが若年女性に薦められている理由がここにあります。

b. 発症までの期間が長いことを利用して、その可能性を見つけ出したら即対応する
子宮頸がんを引き起こす可能性が高いタイプのHPVに感染したからと言って、それが全て進行してしまうということではありません。
1~2年のうちに人間が本来持っている免疫作用のおかげで90%もの方たちのHPVは排除されてしまいます。
HPVが継続して潜伏し続けているときに何らかの刺激(タバコとかいろいろな原因因子が疑われていますがまだ解明されていません)が加わることによって前がん状態へと進んでしまうことがあるのです。
ただこれはあくまで前段階であり、前がん状態が全て「がん」へと進行してしまうわけではありません。通常HPVに感染してから「がん」にまで進行するのに約10年間かかると言われており、ということはそれまでの出来るだけ早い時期に見つけておけば進行する前に対応(治療)が出来てしまうわけです。


前回、HPV検査が陰性だったからといって、ずっとそれが継続することが保障されているわけでないことをお話ししました。つまり極端な話、HPV検査をした翌日に感染してしまうこともありうるわけです。

ではそんなリスクからどうやって免れるか?  
それは次回お話しします。