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LBC法って?

~新しい細胞診検査法~Liquid-Based Cytology法(LBC法、液状処理細胞診法)

LBC法は、子宮頸がんの検査のために、やわらかい専用ブラシでとった細胞をむだなく集めてスライドに均一に塗る方法です。

従来の細胞診

従来の細胞診は、主に医師がブラシや特殊なヘラ等を用いて細胞をぬぐい取り、それをスライドガラスに直接塗る方法です。
しかし、この方法では、細胞の「採り方」や「採る量」が医師によってばらつきがあったり、スライドガラスに細胞を塗る際にかなりの細胞が塗抹(均一に塗りつけること)されずにそのまま捨てられてしまうリスクがあります。
また、綿棒を使用する場合は、それ自体の吸水性が高いため、「疑わしい」細胞が綿棒で採取できても綿棒の側に残ってしまい、観察されないままになることもあります。

LBC法(液状処理細胞診法)のメリット

不適正標本を減少させ、女性の負担を軽減する検査、ブラシを使ったLBC法(液状処理細胞診法)
LBC(Liquid Based Cytology)法では細胞の採取に専用ブラシを用います。

医師が専用のブラシで採取した細胞は、直接スライドに細胞を塗抹する従来法とは異なり、採取ブラシの先端とともに細胞保存液が入った専用容器に中にまるごと保存されます。そして、全ての細胞の入った容器が検査に提出され、専門家によって顕微鏡による診断が行われます。

採取された細胞を無駄にすることなく診断に必要な細胞をスライドガラスに塗抹でき、細胞採取やスライドガラスへの塗り方のばらつきもなくなりますので、検体作成が標準化すると言われています。

また、LBC法は不適正標本(※)を少なくすること、また、再検査がほとんどなくなることによって、女性の体への負担や精神的不安を軽減することが期待されます。


※不適正標本とは…診断に必要な十分量の細胞がない、または出血や炎症や細胞の乾燥等により正しい判定ができない標本のこと。

■再検査の回数を減らす

パイロット試験を行った施設では、不適正判定の確率が 9% から 1-2% に減少したとの報告があります。

■検査を受ける女性の不安を軽減

再検査に呼ばれる可能性が減るという安心感から、検査に対する不安を軽減します。
LBC法はその精度の高さから、1990年代に欧米で広く普及しました。現在アメリカでは、細胞診の90%以上はLBC法によって行われていて、日本でもこれから広く使われようとしている段階です。また最近行われるようになってきたHPV検査も、LBC法で採取された細胞の残りを用いて行えるので大変便利です。

日本産科婦人科学会によって、2011年に発行された産婦人科診療ガイドラインの中では、子宮頸部細胞診に用いる採取器具として、専用の採取ブラシかヘラを用いることが推奨されています。LBC法で使用される採取器具もまた専用のブラシで、このガイドラインに沿っています。

自分の大切な体を守るために行う検査ですから、きちんと検査を理解した上で健診を受けるようにしたいですね♥♥♥